投資における「パフォーマンス」とは?初心者向けにわかりやすく解説
投資を始めるとよく耳にする「パフォーマンス」という言葉。なんとなく「成績」のことだとわかっていても、具体的に何を指すのか、どう評価すればいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、投資におけるパフォーマンスの基本的な意味から、評価方法、具体的な活用法まで、初心者向けにわかりやすく解説します。
投資パフォーマンスの基本|「収益率」のこと
投資におけるパフォーマンスとは、投資した資産がどれだけの収益を生み出したか、または損失を出したかを示す「収益率」のことです。
パーセンテージで示されることが多く、パフォーマンスが高ければ高いほど、その投資の運用効率が良かったことを意味します。
例えば、100万円で株式を購入し、株価が110万円に値上がりし、さらに配当金として5万円を受け取ったとします。
- 元本:100万円
- 最終的な価値:110万円(株価)+5万円(配当金)=115万円
- 収益額:15万円
- パフォーマンス(収益率):15%
このように、単なる価格の変動だけでなく、配当金や分配金なども含めた総合的な収益を「パフォーマンス」として評価するのが一般的です。これを「トータルリターン」と呼びます。
パフォーマンスの2つの評価方法|絶対・相対とは?
パフォーマンスを評価する際は、主に以下の2つの視点があります。
- 絶対パフォーマンス
- 相対パフォーマンス
1. 絶対パフォーマンス:自分の目標達成度
絶対パフォーマンスとは、他の投資対象と比較せず、自分の投資単体で見た場合の収益率です。「儲かったか、損したか」を単純に判断するもので、投資の絶対的な成果を表します。
- 重視すべき人: 明確な資金目標がある人
- 判断基準: 「目標金額を達成できたか」
例えば、「3年後に住宅購入の頭金として500万円を貯める」という目標がある場合、目標とする収益率を上回ったかどうかは、この絶対パフォーマンスで判断します。
2. 相対パフォーマンス:市場全体との比較
相対パフォーマンスとは、市場平均や他の投資商品と比較して、自分の投資がどの程度の成績だったかを判断するものです。比較対象となる指標を「ベンチマーク」と呼びます。
- 主なベンチマーク: 日経平均株価、TOPIX、S&P500など
- 重視すべき人: 長期的な資産形成やインフレ対策を目指す人
- 判断基準: 「市場平均を上回る運用ができたか」
例えば、自分の投資がプラス10%の利益を出しても、市場平均(ベンチマーク)がプラス20%だった場合、相対パフォーマンスでは「市場に負けた」と判断されます。
あなたはどっち?パフォーマンス評価の使い分け
投資の目的によって、どちらのパフォーマンスを重視すべきかは変わります。
絶対パフォーマンスを重視するケース
- 具体的な金額目標と期限が決まっている: 住宅購入、子どもの教育資金、短期的な資金準備など
- 元本割れを避けたい、安定した収益を求める: 市場の変動に左右されず、着実に資金を増やしたい場合
相対パフォーマンスを重視するケース
- 長期的な資産形成を目指す: 30年後の老後資金、退職金の運用など
- インフレに負けない運用を目指す: 物価上昇率を上回るペースで資産を増やしたい場合
- 投資効率を最大化したい: 「もっと良い運用方法があったのでは?」という機会損失を把握したい場合
投資では両方の視点を持つことが重要
投資判断をより多角的に行うためには、絶対・相対パフォーマンスの両方を把握することが重要です。
例えば、「年間リターン8%」を目標に投資し、結果として10%の利益が出たとします。
- 絶対パフォーマンス:「目標達成!」
- 相対パフォーマンス:市場平均が15%だった場合、「市場に負けた…」
この両方の視点を持つことで、「目標は達成できたものの、市場が好調だったことを考えると、もっと大きな収益を狙えたかもしれない」という改善点が見えてきます。
この気づきが、今後の運用戦略の見直しや、より効率的な資産形成につながるのです。
まとめ
- パフォーマンス=投資の「収益率」
- 絶対パフォーマンス=「目標達成度」の確認に使う
- 相対パフォーマンス=「市場全体との比較」に使う
- 投資の目的に合わせて使い分ける
- より良い投資判断には、両方のパフォーマンスを総合的に評価することが重要
パフォーマンスの概念を正しく理解し、ご自身の投資目的に合わせた運用戦略を立てていきましょう。
参考出典
Performance Evaluation – CFA, FRM, and Actuarial Exams Study Notes
Benchmarks: Definition, Types, and How to Use Them in Investing
Relative Return: What it Means, How it Works